さて、半年ぶりに愛媛県の市町村合併事情についての章だ! 松山野獣会らしからぬ話題だけど、松山市ひいては愛媛県の遊びを考える上でも、市民県民生活を考える上でも、かなりキーワードになってくる事柄なので、しっかり今回も解説させていただこう(大まじめ)。 前回の第7回では国・県・市町村の立場から見た『市町村合併』を解説してみた。 本章では、住民の立場から見た『市町村合併』を、新聞・テレビ・雑誌より、どこよりも分かりやすい松山野獣会−管理人LEOが解説するゼ。
『な〜んだ、つまんね〜』なんて言わないように。 来年4月から1年間かけて、愛媛県内全体で始まっちゃうんだぞ! 昭和30年に1万あった市町村が3千になり、今回はこれを1千市町村まで減らしてしまう大革命だ。 しっかり実情を理解しておこう、なんなら第7回を読み返してみてネ!
市町村合併の必要性
さてさて、公務員的な立場から見た市町村合併の必要性を第7回で説明したので、ここでは愛媛県民にとって市町村合併が、どのように影響していくのかってことを考えていきたい。 まあ世の中、成人国民全員が自動車・携帯電話・パソコンを所有するようになると、昔と比べて生活圏が自然と広くなってきているってことだ。 現在の市町村の状態になった昭和30年前後に比べると、役場や公民館にも自家用車で難なく異動できるし、パソコンで様々な行政業務の手続きが出来る、公共機関の予約・抽選なんかも電話で対応したり、役所まで多少遠くなっても生活に何も支障がないわけだ。 でもって多少遠くても問題ない状況になってきたのなら、いっそ合併して役所エリアを広げた方が様々なメリットが出てくるっていうわけなのです。
市町村合併のメリット
たとえば隣町にあった消防団や病院や図書館や警察署、特に地域住民にしか利用できない施設なんかが広いエリアで利用できるようになる。 特に小さな町村に住んでいる人にとっては、我が町で整備されていない施設が利用できるようになるのは、ありがたいハズだね。 具体的に言うと中島町と松山市が合併することで、中島町にある町営病院・町営往復船などの赤字経営問題を、松山市となって大きな枠組みで考えてもらえる。 現状のままでは赤字経営で便数も減り−交通も不便になり−、最終的には島の町民数も減ってしまったりするところが、逆に中島町トライアスロンなんていう全国的に有名な行事が松山市が開催となるわけで、松山市の恒例行事として有力な観光ネタとして益々観光客&島民増加につながったりしてネ。 自分の街にも、相手の街にも、お互いメリットがあってこそ成り立つのが合併なんだよ。 でないと損する街の住民が納得できないでしょう?
愛媛県で言うと、内子町って観光名所や観光物産が多くて、比較的裕福で特徴のある街なのに、初めは愛媛県から大洲市と合併するように言われていたのだ。 住民の人達は猛反対。 だって大洲市と合併した日には、市役所からは遠くなるわ、町はずれの地区になるわ、『内子町の白壁』なんて観光の一部に格下げされてしまう。 そこで同じく喜多郡で端っこ同士の『凧』で有名な隣町の五十崎町と2町合併することにした。 これで『白壁』『凧』『盆地の町並』という愛媛の古京都な風情ある町の完成だ。 ところがどっこい、この2町合併に、小田町が仲間にしてほしいと言ってきた。 小田町は本来『上浮穴郡』だから久万町や美川町と合併するべきなんだけど、地理的な面などを考えると内子・五十崎と合併した方が便利な面が多いと判断したのでしょう。 ただ小田町を入れると『古京都的な風情』の特徴が薄れるとか、市町村の生い立ちが異なるという理由で、まだ内子・五十崎の人からは返事がもらえて無いんだよね〜。 あくまで住民が考える問題なのでイロイロ難しいようだナ。 どうなる小田町!?
さてさて、もっと地域に突っ込んで自分達の生活の変化を考えてみよう。 たとえば今まで隣町の学校がすぐ近所にあったのに、市町村の境目が邪魔をして、わざわざ遠くの我が町の学校に通わないといけなかった人、合併すれば解決だ。 ちょっと大人の話になるけど、税金や公共料金や国保や年金なんかも統一されるから、得する人もいれば損する人もいるだろうな(笑)。 人によっては大きく変わる人もいるから、普段は金額とか気にしていない人でも合併前後は領収書チェックしておいたほうがよいネ。 あと住所が変わる(爆)これ貴重な経験だよ、ウンウン。 きっと郵便番号検索と新住所自動変換ってことで来年・再来年は『筆まめ』『筆王』が爆発的に売れますナ(笑)。
あっ、そうそう地方公務員にお勤めの方は影響最大だ〜! たとえば5市町村が合併すると5つあった役場は1つになるわけで、残りの4カ所は支所扱いになるでしょう。 すると本庁機能が一カ所に集中するわけだから最終的に人員削減は必須だしね。 なんでも松山市と北条市が合併してしまって、北条市が松山市の支所になってしまうと、現在の数百人の北条市役所の職員が十数名しか必要なくなるんだってさ〜。 その分、福祉や障害者や児童関係の人員を強化して、今より更に手厚くするっていうのも雇用対策になるんだろうけど、民間会社の合併と同じく、そのうちリストラとか早期退職とかもあるんだと思うよ。 僕が就職活動していた平成2年頃には、地方公務員なんて花形職業だったんだけどね。 まずは臨時職員の人がいなくなって、議員さんがいなくなって・・・それから・・・
あっ!!! そういえば僕の姉ちゃんは砥部町の正職員だった!
大丈夫か〜姉ちゃん?! 住民数の100人に1人は地方公務員っていうくらいだから、これは愛媛県民的に影響大きいなぁ〜。 いよいよ一番早い愛媛県内合併で、遂に来年4月に現東宇和郡の『西予市』、川之江市伊予三島市中心の『四国中央市』が誕生します。 そして愛媛県内は最終平成17年4月には70市町村→18市町村になります。 まあ高速道路・郵政事業の民営化と同じく、結局のところ表面上そんなに変わらないとは思うけど、体質は随分変化するんだと思います。 昔、国鉄がJRになって『国鉄駅前集合〜』とか言うと『JRだろ〜』と突っ込まれていたように、『重信いこや〜』とか『美川いこや〜』とか言うと『東温市じゃ〜久万高原市じゃ〜』って突っ込まれるだろうか? なわけないか。 こりゃ〜突っ込みにも勉強が必要だぞ。
さて次回は市町村合併の最終章(まだ やるのかよ)、合併後の住民生活にスポットを当てて説明してみよぅ〜! ちなみに・・・決して役場から『金』も『粗品』も頂いてませんヨ(笑)。
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ごぞんじ松山野獣会−愛媛発−の管理人、生まれも育ちも愛媛県松山市で一時は東京での生活を経験するが、やっぱり世界中で一番に愛媛県が大好きだなぁ〜である。 友人も親友も家族も近所にいて、もちろん愛媛県フィールドの遊びならプロフェッショナル、そんな幸せな環境に感謝感激で毎日過ごしている。詳しくは自己紹介コーナーをどんゾ。
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